一般的に昼間は8回以上、夜間は2回以上の排尿が頻尿と定義されますが、実は回数自体は厳密なものではありません。むしろ、それまでの状態から変化があった場合や日常生活に支障が生じた場合には原因の検索が必要です。原因としては水分の過剰摂取に加え、内科疾患である尿崩症、また、男性であれば前立腺肥大症、慢性前立腺炎、尿路感染症、性感染症、尿路結石症など、女性であれば急性膀胱炎、過活動膀胱、間質性膀胱炎などが鑑別すべき疾患です。
また、不眠症により目が頻繁に覚めるために、結果として夜間の排尿回数が増加することもしばしば見られます。
さらに、上部尿路の異常による血尿や、骨盤内臓器の疾患によって二次的に頻尿が出現している可能性もあります。
当院では一般的な尿検査、血液検査などに加え、エコー、レントゲン、内視鏡、CTなど画像機器を駆使して正確な診断に至るよう努めています。
男性では前立腺肥大症、神経因性膀胱など、女性では尿道カルンクル(尿道良性腫瘍)、神経因性膀胱などが考えられます。検査としては尿流・残尿測定、エコー、静脈性尿路造影など一般的で簡便なものから、尿道造影、尿道膀胱鏡、膀胱内圧測定など必要に応じて行うこともあります。なお、頻尿に伴い、尿が貯留していない状態で排尿することで尿勢の低下を来たす場合もあり、頻尿の原因となる疾患の有無も確認する必要があります。
一般的には女性で多く見られる症状です。くしゃみ、せきなどにより引き起こされる腹圧性尿失禁、突然の強い尿意を伴う過活動膀胱、両者が混合して出現する混合性尿失禁に分類されます。一方、男性では前立腺肥大症に代表される下部尿路症候群(LUTS)に伴う場合も多く見られます。
実際に残尿がある場合と残尿がなく感覚のみがある場合とに分類されます。残尿の存在はエコーで簡単に測定できます。原因疾患として、男性では前立腺肥大症、尿路感染症、慢性前立腺炎、尿路結石症、神経因性膀胱など、女性では急性膀胱炎、慢性膀胱炎(慢性骨盤痛症候群)、尿路結石症、神経因性膀胱などが主なものです。
顕微鏡的血尿から肉眼的血尿に至るまで程度は様々ですが、いずれも精密検査が必要です。尿・血液検査、尿細胞診、PSA測定・前立腺触診(男性のみ)に加え、上部尿路についてはエコー、静脈性尿路造影、CT、逆行性尿路造影、尿管鏡、尿細胞診など、下部尿路についてはエコー、膀胱・尿道鏡、尿細胞診などが診断確定のための検査です。鑑別疾患としては、尿路結石症、尿路悪性腫瘍(膀胱癌、腎盂尿管癌、腎細胞癌)、ナットクラッカー症候群、IgA腎症、急性糸球体腎炎などが挙げられます。
PSA検診、人間ドックなどでPSAの異常高値を指摘された場合には、PSA再検値およびPSAフリートータル比、PSA増加率、前立腺触診、検尿、前立腺体積などの結果を評価した上で前立腺生検が必要かを判断します。生検組織の病理診断に従って治療方針が決定されます。
当院では前立腺生検は安全に配慮し経直腸的エコーを用いて行います。仙骨硬膜外麻酔、又は局所麻酔下に行いますので、検査に伴う痛みや不快感は軽減されます。
なお、当院は習志野市前立腺がん検診の2次検査の医療機関に指定されています。
利便性を考慮し、当院では日帰りでの生検を行っています。
尿中の蛋白質は健康人でもわずかながら存在しますが、臨床的に蛋白尿と診断されるのは一般的に蛋白尿が1日150mgを超える場合です。運動、発熱、疲労などの影響で一過性に蛋白尿がみられることもありますが、持続的に蛋白尿が認められる場合には精密検査が必要です。
尿中に存在する蛋白を混入部位から分類すると、①腎前性,②腎性,③腎後性蛋白尿に分類されます。病的な蛋白尿についてはこれらの分類に基づき精査が行われますが、原因疾患としては、腎前性蛋白尿は多発性骨髄腫、横紋筋融解症など、腎性蛋白尿は糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化症、薬剤性腎障害など、腎後性蛋白尿は尿路結石症、尿路感染症、尿路悪性腫瘍(膀胱癌、腎盂尿管癌)などが代表的なものです。
尿・血液検査、エコーなどが初診時の一般的な検査ですが、必要に応じて尿路造影検査、CTなどを行い確定診断を行います。
腎前性および腎性蛋白尿に関しては腎臓内科の受診をお勧めします。
急性膀胱炎、尿道炎、急性前立腺炎などの尿路感染症やクラミジア・淋菌性尿道炎などの性感染症(STD)、尿路結石症、尿路からの出血により膀胱、尿道が刺激を受け排尿痛を来たすことがあります。包茎の男児では細菌感染である亀頭包皮炎によって痛みを生じることがあります。必要な検査は視診、尿検査、エコーなどです。なお、感染症が疑われる場合には、尿や尿道分泌物の培養を行い菌種を特定しますので、市販の抗菌剤などはできるだけ飲まずに来院されることをお勧めします。
急性膀胱炎、慢性膀胱炎、間質性膀胱炎や尿路結石症(膀胱・下部尿管結石)、慢性前立腺炎などが鑑別すべき疾患です。血尿による膀胱刺激症状として下腹部痛を呈することもありますので、尿検査、エコー、前立腺触診などで原因を調べます。
いわゆる睾丸とは正確には陰嚢(いんのう)を指すことが多いのですが、陰嚢の内部には精巣(睾丸)、精巣上体(副睾丸)、精索(精巣を栄養する血管および精管)等が存在します。これらの部分に何らかの異常が生じた時に「睾丸が腫れてきた」と自覚されます。「睾丸の腫れ」の原因としては、陰嚢水腫・精液瘤、精巣上体炎、精巣炎などが見られますが、精巣捻転、精巣膿瘍(がん)などの早期の治療が必要な疾患が潜んでいることがありますので、早めに泌尿器科を受診されることをお勧めします。
通常は成長するにつれて亀頭にかぶっていた包皮はペニスの根元の方向へむけていきます。しかし、大人になっても亀頭に皮がかぶったままでいる状態が包茎です。包茎であっても手でスムーズに包皮がむけるものを仮性包茎、包皮がむけないものを真性包茎、むけた状態の包皮にむくみが生じ元の位置に戻らなくなったものを嵌頓(かんとん)包茎と分類します。
真性包茎および嵌頓包茎は手術による治療の対象(病気として扱われるため健康保険がききます)となりますが、仮性包茎は医学的には問題ないとされるため医療保険の適用はなく、手術は自費診療で行われます。
EDとは英語で「Erectile Dysfunction」、つまり「勃起機能の低下」を意味します。「性交時に十分な勃起やその維持ができずに、満足な性交が行えない状態」と定義されていますが、実際には、「本人およびパートナーが満足できているかどうか」が診断の基準となります。
日本では1,000万人以上の男性が罹患しているとの報告もありますので、高血圧、糖尿病などなどの他の病気と同様のごく普通の病気といえます。
EDは心理的、精神的な理由でおこる心因性EDと、身体的な問題による器質性EDに大きく分けられますが、両者が混在することもありますので、十分な問診を行った上でカウンセリングを行い薬の服用をすることで症状が解消する場合が多く見られます。
お薬としては当院ではバイアグラ、シアリスを用意しています。皆様の安全への配慮とご要望に的確にお応えするために、初診時には簡単な問診および必要時には診察を行いますが、再診時にはご希望により診察なしにお薬のみお渡しすることも可能です(錠数は20錠までを上限)。
なお、薬の種類を変更したい場合は診察が必要となります。
また前回処方から1年以上期間があいた場合は初診料を頂きます。
ED薬の処方に際しては、上記の薬代金の他、初診料2880円もしくは再診料730円、そして処方料590円がかかります(注)。また、ED薬処方は自費診療となり、保険は適用となりませんので、ご了承下さい。(注:令和4年10月現在。診療報酬改定に伴い変動致します。)
ED薬につきましては、現在院内でお渡しをしております。
一錠あたり料金 (税込) |
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バイアグラ25mg | 1,300円 |
バイアグラ50mg | 1,700円 |
シアリス20mg | 1,900円 |
肥大した前立腺により尿の流れが滞るために、尿勢低下、頻尿、残尿感、尿意切迫感など多彩な症状を呈します。加齢や男性ホルモン、食事の欧米化、遺伝などが危険因子として指摘されていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
症状により生活の質が低下するばかりか、治療せずに放置した場合には膀胱機能が失われたり腎機能の低下や廃絶につながることもあるため注意が必要です。
治療方針としては、問診、尿流・残尿測定、エコーなどの検査を行うのが一般的です。その上でそれぞれの病態、全身状態、年齢などに応じて、薬剤による治療、内視鏡下手術(TUR-P)、尿道ステント留置、自己導尿、尿道カテーテル留置などを選択しています。また、緊急の尿閉に対する尿道カテーテル留置、膀胱ろう造設も行うことが可能です。
診断に有効なIPSS(国際前立腺症状スコア)はこちら(PDFファイル:70kb)
※当院受診前にご記入の上お持ち頂けると助かります
急性単純性膀胱炎とは腎臓や膀胱に何も疾患がなく発症する膀胱炎で、おもに性的活動期の女性に多くみられます。大腸菌が原因になることが多く、抗生物質が良く効きます。
急性単純性膀胱炎は、20~40才の女性の25~35%が罹患するといわれており、感染症としてはごく一般的で症状が比較的軽症であることから治療も簡単と考えられていますが、無治療で放置すると急性腎盂腎炎(腎盂炎)に移行することもあるため注意が必要です。
当院での一般的な治療期間は5~7日程度ですが、尿検査による治療効果を判定しますので内服終了後にも来院が必要です。
もし治療後も感染状態や症状が消失しない場合には、原因菌に合わせて薬剤を変更するほか、エコー、残尿測定などで原因を検索します。
なお、当院では尿培養検査を行い原因菌の種類の検索と薬剤感受性の確認をしますので、なるべく抗生物質や抗菌剤(市販薬であっても)を服用せずにご来院下さい。
全身に影響が及ぶ可能性がある尿路感染症としては、急性腎盂腎炎、急性前立腺炎、急性精巣上体炎などがあります。
尿中の炎症所見に加え38度台以上の発熱がある場合には、原則として入院で安静をとりながら抗生物質の点滴治療が必要です。特に高齢の方や糖尿病などにより抵抗力の低下した方の場合には、原因菌が全身に波及する敗血症への移行が危惧されるため、直ちに入院治療を開始する必要があります。
入院中は抗生物質を使用するほか、脱水状態を改善するための補液や発熱、痛みなどに対する対症療法を追加することで苦痛を最低限とし、早期回復を促します。
退院後数日間は感染の再燃を防止する目的に抗生物質の内服を継続して頂くことが一般的です。一般的なご入院期間は7~10日程度ですが、病状により前後する可能性があります。
直径8mm以下の比較的小さな結石の場合には自然排石を期待し内服治療を行いますが、大きな結石の場合、あるいは長期間排石が見られない場合、疼痛が強い場合、高度の血尿や尿路感染を合併している場合、早期の治療を希望される場合には、対外衝撃波結石破砕術(ESWL)や経尿道的結石破砕術(TUL)などの積極的治療の適応となります。
「おしっこの回数が多い」、「急におしっこをしたくなって我慢が難しいことがある」、「我慢できずにおしっこをもらすことがある」、という症状に代表されるように、過活動膀胱(OAB)は、自分の意思と関係なく膀胱が勝手に収縮し、頻尿や尿もれを引き起こす疾患です。
中高年女性の病気と認識されやすいのですが、20~30歳台で悩む人も少なくありませんし、また男性でもかかることがあります。
最近の調査では、過活動膀胱の症状がある人は40歳以上の12.4%にもなり、そのうちの半数くらいの人では尿もれもあります。
症状のある人の割合は年齢があがるにつれて増え、80歳以上では40%くらいにもなるため、決して珍しい病気ではありません。
尿もれを心配するあまり、外出を控えたりして生活の質を低下させることは大きな損失と思われますので泌尿器科受診をお勧めします。
当院では排尿日誌による病態の把握を行い、一般検尿、尿路エコーにより他の疾患がないことを確認した上で主に抗コリン薬を中心とした内服薬を用いた治療をしています。
過活動膀胱の診断に有効なOABSSはこちら(PDFファイル:51kb)
※当院受診前にご記入の上お持ち頂けると助かります
主に女性の間で、くしゃみ、せき、急に立ち上がる、笑うなど腹圧上昇に伴い尿が漏れてしまうのが腹圧性尿失禁です。出産、加齢、肥満などが背景となり骨盤内で膀胱・尿道を支えている筋肉が弱くなり発症すると考えられていますが、症状が進むと尿とりパッドや替えの下着を常に用意する必要があるなど、生活の質を著しく低下させる恐れがあります。
さらに重症の場合には、骨盤底の筋力低下のため骨盤臓器を支えきれずに下降してくることもあります(膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤など)。
治療としては、軽症であれば骨盤底筋体操や抗コリン剤、α1作動薬、β2作動薬、三環系抗うつ剤などの薬剤治療が有効ですが、重症になると手術が必要になることもあります。
また、腹圧性尿失禁と過活動膀胱(OAB)が合併した混合性尿失禁もしばしば見られます。
当院では十分な問診を行い、必要であれば診察を行い治療方針を決定します。
広義には性行為によって感染しうる全ての感染症を指しますが、当院では狭義の性感染症である淋菌感染症、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、梅毒、トリコモナス感染症、ケジラミ症などに対する治療が可能です。
性器ヘルペスや尖圭コンジローマ、ケジラミ症など肉眼的に異常がある疾患は観察のみで診断を行いますが、尿道分泌物がある場合には顕微鏡検査、培養検査、核酸増幅法(PCR)を併用し診断を行います。
治療に関しては、診断に基づき抗生物質や抗菌剤、抗ウイルス剤の内服、抗菌剤の筋肉注射や点滴、外用薬、手術(尖圭コンジローマ)などを用います。
泌尿器科では男性の性感染症についてのみ治療可能です。
女性につきましては婦人科の受診をお願いします。
大きく細菌性前立腺炎と無菌性前立腺炎とに分類されます。
細菌性のものは尿路感染症の一つですので、細菌培養により原因菌を特定し抗生物質や抗菌剤の内服を行います。治療期間は一般的には2~4週間程度です。
無菌性のものは別名として前立腺痛、前立腺症、陰部神経症、骨盤内静脈うっ滞症候群、慢性骨盤疼痛症候群、プロスタトディニアなどと呼ばれることがありますが、発症の原因ははっきりせず、また診断方法も確立しておらず症状も多岐に渡ります。そのため泌尿器科で正確に診断され適切な治療が開始されるまでに時間がかかることがあります。
症状としては残尿感、下腹部痛、そけい部痛、会陰部痛、陰のう痛、尿道痛、腰痛、下肢痛などが典型的です。
当院では時間をかけて問診を行った上で、症状にあわせた治療を選択します。生活指導に加えて、内服治療(植物エキス製剤、抗生物質、漢方薬、精神安定剤、抗うつ剤、αブロッカーなど)や必要時には前立腺マッサージなどを行い症状の緩和を図ります。
NIHの慢性前立腺症候指標はこちら(PDFファイル:88kb)
※当院受診前にご記入の上お持ち頂けると助かります
頻尿・尿意切迫感というごくありふれた症状を呈し、排尿を我慢すると膀胱に痛みや不快感を感じます。このような症状が続くときは間質性膀胱炎を疑う必要があります。
排尿記録により1日10回以上の頻尿に加え、1回平均排尿量が150m以下の場合は間質性膀胱炎が疑われます。
男性より女性に多く、米国では70万人の間質性膀胱炎患者のうち90%が女性です。激しい痛みなどの強い症状のため仕事や生活に支障を来たします。
原因は不明ですが、多くの要因(機械的刺激、アレルギー、免疫、神経血管、感染、環境など)が 関与していると考えられています。
診断方法や治療方法が確立されていないので、慢性膀胱炎や慢性前立腺炎として漫然と治療されていたり、他覚的な異常が見つからないため正確な診断がなされずに間質性膀胱炎と診断されるまでに平均で約5年間もの時間が費やされることがあるとの報告もあります。
検尿やエコーで膀胱に明らかな基礎疾患がないことを確認の上、抗コリン剤、抗ヒスタミン剤、αブロッカー、漢方薬、抗うつ剤、精神安定剤などによる内服薬治療を行いますが、内服薬による効果が薄い場合には、確定診断および治療には膀胱水圧拡張術が有効です。
尿は膀胱と尿道がうまく連動してはじめて排泄されます。そうした一連の動きを制御するのは神経の働きです。神経は、大脳に始まり脳幹部、脊髄、末梢神経を経て膀胱に至ります。この経路のいずれかが障害された状態を神経因性膀胱と呼びます。そのため神経因性膀胱の原因となる疾患はさまざまであり、障害される部位によって症状も異なります。
治療の目的は腎機能の保持とQOLの維持です。問診や排尿記録日誌、尿流量測定、残尿測定、膀胱内圧測定、レントゲン検査などで排尿状態を評価した上で、生活指導、内服薬、自己導尿指導、手術療法などの最も適切と思われる方法を組み合わせて、排尿状態を良好に保ちながら排尿管理・指導を行っています。
女性の外尿道口(尿道の出口)付近にできる良性腫瘍(ポリープ)です。血管に富んだ組織からなるため、暗赤色をしておりしばしば出血します。排尿後に血液がペーパーに付着したり、下着が汚れるなどで自覚されることが多いのですが、腫瘍が大きくなってくると外尿道口の違和感や痛みを伴うこともあります。
腫瘍が大きくなったとしても癌化することはないため急いで治療する必要はありません。症状を緩和するために、ステロイド外用剤が有効なこともありますが、症状が頻繁に出現する際には手術による切除が有効です。
いわゆる「睾丸の腫れ」として自覚されることがしばしばですが、一般的にゆっくりと大きくなり痛みを伴わないために、かなり大きくなってから泌尿器科を受診する場合が多い疾患です。
陰嚢内に袋状の構造ができて内部に透明な液体が溜まるのですが、その原因ははっきりしません。液体に精子がない場合を陰嚢水腫、精子がある場合には精液瘤と呼びますが、治療法に差はありません。
日常生活に支障なければ経過を見ることも可能ですが、自然に小さくなることはあまりありません。
当院では徐々に大きくなり不自由を感じた際には陰嚢を穿刺し液体を吸引することもありますが、穿刺は数回が限度で液が溜まる速度が増すことが多いため手術による切除をお勧めします。
多くが「睾丸の腫れ」として自覚されますが、細菌が外部から尿道、精管を逆行性に侵入した尿路感染症の一種であり、痛みを伴うことが多く陰嚢全体が固く一塊になります。炎症が進むと高熱を伴い、特に高齢者や合併症がある場合には重症化することもあるため、7日間程度の入院治療が必要となります。
抗生物質の点滴と安静、局所の冷却が感染・炎症の沈静化には有効です。
新生児から小学生にかけ、多くは包茎の男児によく見られます。包皮および亀頭部に細菌が感染して発症しますが、症状としては局所の発赤と痛みであり、時に排膿も見られます。外用薬が主に用いられますが、炎症が強い場合には抗生物質内服を併用します。
亀頭包皮炎を繰り返す場合には包皮が固くなり飜転(むくこと)ができなくなることがあるため、経過によっては手術をお勧めする場合もあります。お子さんの場合には手術に際して全身麻酔が必要ですので、対応可能な施設にご紹介します。
慢性腎臓病(CKD)とは、蛋白尿などの腎臓の障害もしくは血液データ異常などの腎
機能低下が3か月以上持続するものと定義されていますが、罹患率がおよそ6~10人に
1人と非常に高いということもあり、最近とても注目されている疾患です。
腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、多くの場合機能の障害がかなり進行しないと症状
を呈してきません。しかし、慢性腎臓病は病状が進行することで透析や腎移植が必要
となる末期腎不全に移行する可能性に加え、狭心症、心筋梗塞などの心血管疾患、脳
梗塞、脳出血などの脳血管疾患の重要な危険因子とも言われています。
慢性腎臓病の原因となる疾患としては、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、IgA腎症、
ネフローゼ症候群、腎硬化症、多発性のう胞腎などが代表的ですが、原因となる疾患
により治療内容や病状の進行度が異なります。尿路悪性腫瘍、血液疾患、自己免疫疾
患が慢性腎臓病の原因疾患となった場合には、腎機能低下が急速に進行する場合もあ
るため、早期の腎臓専門医受診をお勧めします。
一般的な治療としては、原因疾患の治療に加え、栄養指導による食生活の改善や禁
煙、体重コントロールなどの生活習慣の改善を行った上で、血圧や貧血の管理を厳格
に行うことで病状の進行を遅らせることができるとされています。
なお当院では腎生検を行っていないため、必要時には関連施設にご紹介致します。
前立腺生検の結果前立腺癌と診断された場合には、CT、MRI、骨シンチグラフィーなどの画像検査により癌の進行度を判定(病期診断)します。
局所限局癌であり、かつ年齢が75歳以下であれば手術療法、放射線療法、内分泌療法が選択枝となります。
一方、年齢が76歳以上である場合には手術療法、放射線療法は一般的には選択枝とならず、内分泌療法や一定の条件下での待機療法(watchful waiting)が選択されます。
また、局所進展癌に対しては放射線療法、内分泌療法、または両者の併用療法が適応となります。
また、遠隔転移を伴う進行癌の場合には内分泌療法(LHRHアナログ、抗アンドロゲン剤、エストロゲン剤、ステロイド、ビスフォスフォネート製剤、精巣摘除術)や化学療法(タキサン系製剤)が行われます。
当院で対応できない根治的手術療法、放射線療法、化学療法を希望の方は、ご希望の専門施設にご紹介します。当院では待機療法、内分泌治療が可能です。
なお、本院は千葉県がんセンター、千葉大学病院泌尿器科の地域連携パス指定医療機関となっており、術後(放射線照射後)の安定期の方や内分泌治療中の方などのフォローも行います。
また、進行癌や術後再発に対する緩和医療も行っております。
標準的な治療方法が基本となりますが、治療計画を行う際には患者様ご自身やご家族のご意向に十分に配慮を致します。
確定診断および治療方針決定のためには、腫瘍から組織を採取し組織診断を行うことが必要です。エコーなどで膀胱癌の存在が疑われた場合には、膀胱鏡検査で腫瘍の存在を確認します。尿中の癌細胞の存在を確認する場合もありますが、膀胱鏡上外見から癌が疑われる場合には、組織診断と治療を兼ねた経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)が必要です。
術後組織診断の結果により、再発防止のため抗癌剤膀胱注入やBCG膀胱注入などの追加治療が必要な場合がありますが、追加治療が必要ない場合にも再発の早期発見のために厳重なフォローアップが必要です。
当院の標準的な治療計画に則り、2年間は3か月毎の膀胱鏡および尿細胞診、2~5年間は6か月毎の膀胱鏡および尿細胞診、それ以後も12か月毎の尿細胞診を確認します。
また12か月毎の上部尿路造影を行い、腎盂、尿管の確認を行っています。
なお、手術、放射線照射、全身抗癌剤などの治療が必要と思われる局所進行癌と診断された際には、当院関連病院やご希望の医療機関へのご紹介をさせて頂き治療を継続することとなります。
また、根治的治療困難な進行癌の尿路管理や術後再発に対する緩和医療も行っております。
確定診断のために必要な検査は、(以下追加)尿細胞診、腎膀胱エコー、静脈性尿路造影、CT、逆行性尿路造影、尿管鏡検査などです。尿細胞診で悪性細胞が検出されれば腎盂尿管癌と診断できますが、尿細胞診が正常のままである場合もあります。
画像検査で病変の存在が疑われる場合には、最終的には組織を採取しないと確定診断にはなりませんので、病変部の切除を含めた治療が必要となることもあります。
限局型の腎盂尿管癌の標準的治療は腎尿管全摘出ですが、病変部が下部にある場合や膀胱への進展が疑われる場合には、膀胱部分切除を同時に行うこともあります。
一方、画像上明らかな病変がないにも関わらず尿細胞診のみ陽性の場合、上皮内癌(CIS)と診断されることがあります。そのような場合には、尿管カテーテルを留置した上で行う膀胱上皮内癌と同様のBCG膀胱注入療法が有効とされています。
局所進行癌や遠隔転移のある腎盂尿管癌については、化学療法や放射線療法の適応となりますが、積極的治療が困難な場合には緩和医療も併用します。
当院ではBCG療法、緩和医療が可能です。
緩和医療とは、癌と付き合っていく上で「つらさを最小限にするために何ができるか」を常に考えながら行われる医療です。したがって、緩和医療とは癌が進行した時期だけではなく、癌の診断や治療と並行して行われるべきものです。
しかし実際には、遠隔転移を伴う進行癌や術後・放射線照射後・化学療法後再発など、根治的癌治療が不可能となり、積極的治療を中止した上での症状のコントロールを目的に行われる治療が緩和医療であると広く認識されています。
当院では病状の変化に伴って出現する様々な症状のコントロールを行います。特に全身の進展に伴う癌性疼痛に対しては、WHOガイドラインに沿いモルヒネ製剤・オピオイドを積極的に使用しております。
また、ご本人の希望があり、かつご家族から十分な協力が得られる方に関しては、在宅療養および在宅での看取りが可能です。
対象疾患については原則的には泌尿器疾患ですが、病状によってはお受けできる場合もございますのでどうぞご相談下さい。また、往診が可能な範囲につきましてもお気軽にご相談下さい。
診療科目 | 午前 | 午後 |
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泌尿器科 | 9時〜12時 | 3時00分〜 5時30分 |
木曜・土曜午後休診 | ||
内科 | 9時〜12時 | 3時00分〜 5時30分 |
月曜・木曜休診 水曜午前・土曜午後休診 |
||
腎臓内科 | - |
2時〜5時 |
人工透析 ※休診日に関わりなく日曜を除く毎日 |
||
〜 | 入室時間 | 穿刺時間 |
9:00 および 9:40 |
9:25 および 10:00 |
|
入室時間 | 穿刺時間 | |
15:40 | 16:00 | |
これ以降17時~18時まで来院時順次穿刺 |